辻井伸行は、2011年に「テンペスト」や「展覧会の絵」の演奏でカーネギーホールデビューをしました。
2009年に「第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で、辻井伸行は20歳で挑戦し、日本人初の優勝を果たし、その後、日本国内はじめ、アメリカ、ドイツ、スイス、イギリスなど、世界へ向けた演奏活動へと活動の範囲が広がって、リサイタルやオーケストラとの共演を行ない、世界各国で高い評価を受けたのです!
そんな時に、辻井伸行はカーネギーが主催する世界の超一流のピアニストが選出・演奏する「鍵盤の達人2」からの招待を受けたのです。憧れのカーネギーホールでの演奏が出来るわけで、辻井にとっても最高の喜びでした。
そして、2011年11月のカーネギーホール・デビューとなり、ピアニスト辻井伸行の演奏は大絶賛され、大成功を収め、辻井にとって誇りと自信につながった大事なデビューとなったのです
今回は、その、辻井伸行の2011年11月のカーネギーホール・デビューLIVEの<完全版>がDVDに収められたので簡単な解説と共に、紹介しますね!
辻井伸行のベートーベンのテンペスト演奏は最高!
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カーネギーホールでの辻井伸行のベートーヴェンのピアノソナタ 【テンペスト】の演奏は最高ですね!
初めてのカーネギーホールでベートーベン【テンペスト】の演奏で高評価を得たのですが、日本人がベートーベン演奏で評価を得ることはめったにないと言われていますネ・・。
「テンペスト」は緊張感や切迫感が非常に高い作品と言われます。
作曲されたのは1802年、この頃ベートーヴェンは、年々悪化する難聴への絶望感から、『ハイリゲンシュタットの遺書』を記し、自殺も考えた時期・・
「テンペスト」とは日本語では“嵐”という意味ですが、かなりドラマティックな構成の作品となっています。
冒頭の第1楽章は、嵐の前の静けさから、すぐに激しい嵐がやってくる劇的な最も長い楽章となっています。
2楽章はテンポもゆっくりと美しく、冒頭は1楽章の冒頭に酷似しています・・
3楽章は、16分音符が流れるように続き、美しく強く常に息が詰まるような感情が次つぎと運ばれてきて、転調によって劇的な感情の変化が引き起こされる疾風怒濤という感じですね・・
まあ、解説するまでもなく、あなたも聴いてみれば、耳に残るフレーズで、何かに掻き立てられるような感じにもなる楽曲で、辻井伸行の素晴らしい演奏は、ベートーベン作曲の曲としても忘れられない名曲であり、加えて、辻井のピアノ演奏の音色ですよね・・
辻井伸行演奏の展覧会の絵を動画で!
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辻井伸行はムソルグスキーの「展覧会の絵」をピアノ演奏して、カーネギーホールの聴衆を魅了しました・・
「展覧会の絵」は”オーケストラの魔術師” ラベルがオーケストラ版に編曲して、有名になり人気の楽曲になったといわれています。
ムソルグスキーが、前年に亡くなった友人で建築家のガルトマンが残した、スケッチや水彩画などの遺作展に触発されて、1874年にピアノで作曲されたといわれている。
前奏や間奏の役割を果たす「プロムナード」と、「古城」「卵のからをつけたひなの踊り」「キエフの大門」など10の標題を持つ曲で構成されるピアノ組曲になっているが、バレエ曲「ボレロ」などで知られる作曲家、ラベルのオーケストラ編曲でも有名です。
~というより、先にラベル編曲のオーケストラ版で人気が出て、原曲がピアノ版として知られるようになったようですね・・
「オーケストラの魔術師」どおりの華麗で色彩的なもので、原曲のロシア的な要素を重視するよりもオーケストラ作品としての華やかな色彩を与えることを企図し、そして成功している。ラヴェルの編曲は粗野な趣の『展覧会の絵』に新しい生命を与えることに成功したようです。
辻井伸行は、カーネギーホールでムソルグスキーの原曲、ピアノ版組曲を演奏し、10の課題にそれぞれ特徴を付けて、変化のある、飽きない演奏したのは、目が見えないのに、さすが ”天才!” と思いましたね・・
このピアノ演奏様子は、DVDの動画で見ることが出来ますよ!
辻井伸行が カーネギーホールで涙の演奏
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辻井伸行は、2011年11月にカーネギーホールでの初ライブで演奏した楽曲は、以下の5曲とアンコール3曲、計8曲でした。
2、(ベートーヴェン)/ピアノ・ソナタ第17番 ニ長調 テンペスト
3 (リスト)/ため息/
4,(リスト)/リゴレット・パラフレーズ
5,(ムソルグスキー)/展覧会の絵
6,(辻井伸行)/ジェニーへのオマージュ 作品1
7,(ショパン)/雨だれ
8,(辻井伸行)/それでも生きてゆく
辻井伸行のアメリカの地のカーネギーホールでのレビューライブで、辻井伸行のピアノ演奏は、アンコールが3回もあったという事実からも、いかに辻井伸行の演奏がアメリカ聴衆の心に響いた感動の演奏であったか~とのことが伺えますよね!
辻井も、憧れのカーネギーホールで演奏出来たこと自体に感激したのと、会場の聴衆のあまりにも凄い反響に感激の涙と共に、最後のアンコール曲は8か月前に起きた ”東日本大震災”で多くの犠牲者が出たことに思いをよせた”それでも生きていく”~という自作の曲をつくり、披露してきた作品を、このアメリカという地で演奏し、東北の人たちに改めて思いを伝えるように、最後に演奏したが、演奏しながら大きな涙がポトポトと落ちるのが映像でもはっきり確認できたし、見ている側も思わず涙ぐんだワンシーンだったですよね・・
つまり、辻井伸行がカーネギーホールで涙の演奏をしたのです・・
それは、アンコールで最後に演奏した、東日本大震災の災害を受けた方々に心を寄せて作った ”それでも生きていく” の自作曲の演奏だったのです。
辻井の深い思いやりの心、励ましの心が伝わる曲が、アメリカの地で披露されたわけです・・
まとめ
今回は、” 奇跡のピアニスト” 辻井伸行が、2009年、アメリカの地で行われた「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で20歳で優勝して、活躍の場が世界各国に広がっていく中で、2年後の2011年にアメリカ ニューヨークの音楽の殿堂「カーネギーホール」でリサイタルレビューを果たした模様と、その演奏の楽曲のうち、ベートーベンの「テンペスト」と、ムソルグスキーの「展覧会の絵」について解説させて頂きました。
この素晴らしい辻井伸行の演奏模様やアメリカ聴衆の反響の様子、アンコールの3曲も含めたすべてを1枚に収録したDVDで、あなたも、感動の演奏をぜひ見て、聴いて下さいネ!
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